身長の伸ばすには睡眠が大切!「成長ホルモン」の分泌について
子どもの発育や発達など生きていくために欠かせない「成長ホルモン」は、よく耳にする言葉ですが具体的にどのような成分でどのような効果があるのでしょうか?
子どもの発育や身長の伸びが気になる方やそうでない方も知っておきたい成長ホルモンの事を、様々な角度から解説していきます。
身長を伸ばすホルモン「成長ホルモン」って?
ホルモンは、体の中でつくられる物質で体の機能を正常に保ち生きていくために重要な働きをするものばかりです。その数100以上ありますが、成長ホルモンはそのうちの1つとして、日々体の中で重要な役割を果たしています。
その言葉からも分かるように、成長ホルモンは「身長を伸ばすホルモン」として知られています。それとは別に、成長ホルモンにはもう1つ重要な働きがあります。
それは、体にある物質をエネルギーとして使えるような物質に変えていく働きがあるのです。これを代謝と言いますが、こちらの方がなじみのある呼び方ですよね。筋肉や骨の生成、疲労回復、成長促進、お肌をきれいに保つ、老化を防ぐなどの効果があります。体内でエネルギーを生成することは、生きていくうえで欠かせません。成長ホルモンは、人間が成長していく大切な役割を担っているのです。
子どもから大人(中年や高齢者)の幅広い年齢に必要なホルモンです。
幼少期には骨の伸びや筋肉の発達など体をつくり上げる時期なので成長ホルモンは、特に大切と言えるでしょう。発育期には、大量の成長ホルモンが必要と共にその働きぶりが発揮される時期です。そのような訳から子どもがちょっとした怪我をしても治りが早いのはこの成長ホルモンのおかげなのです。
どんな時に分泌するの?
成長ホルモンは、脳から出た指令を受けて下垂体から分泌されます。そして、肝臓では成長ホルモンを促進するIGF-I(別名、ソマトメジン-C)という物質が作られています。このIGF-Iは、成長ホルモンの分泌量を調べる時の大きな指標となります。もしも何らかの理由で成長に関わる検査を行う場合、このIGF-Iの値を調べることになります。
成長ホルモンは、夜の就寝時に多量に分泌されます。就寝後およそ2~3時間経過後に分泌されます。成長ホルモンの特徴として、はじめの深い睡眠時には大量に分泌されるのに対しこの時間外の睡眠ではほんの少ししか分泌されないのです。
大量の成長ホルモンを促すには、一番深いノンレム睡眠に分泌されるということです。
子どもの成長や身長の伸びが気になったら、生活リズムに注意をしてみましょう。
不規則な生活で睡眠不足になりがちな場合は要注意!身長の伸びの問題だけではなく、成長ホルモンの分泌が減少して、体に様々な影響が出てきてしまいます。
子どもが勉強や部活などで忙しい時には、生活習慣を整えられるよう様な配慮や声掛けをして睡眠不足にならない様にしてあげて下さい。
どんな時に分泌が阻害されるの?
成長ホルモンは、内臓脂肪が多めについている場合、血中の浮遊脂肪酸の比率が高くなり分泌が阻害されてしまいます。また体脂肪が多いケースでも同じようなことが言えます。
脳の指令から分泌されるので、過度なストレス、過度な刺激(テレビやパソコンなどの光)により脳が必要以上に刺激され成長ホルモンの分泌が減少傾向にあります。
また、血糖値が上がると成長ホルモンの分泌を阻害するインシュリンが分泌されます。分かりやすく言うと「空腹を堪えすぎて沢山の物を食べてしまう」といった時は、成長ホルモンの分泌が阻害されてしまうのです。
また、薬の中には成長ホルモンの分泌を阻害することが明らかになっているものが数種類存在します。これらは、あまり知られていないですよね。
解決策としては、太り過ぎに注意することと食事の仕方に気を配ってあげましょう。中でもストレスは成長ホルモンの大敵です。ストレスを溜めない工夫が必要ですね。
テレビやパソコン、ゲームなどは完全に避ける事は難しいでしょう。これらを取り上げることによってお子さんのストレスが増えてしまっては元も子もありませんよね。
きちんと状況を説明したうえで、使用時間をお子さんと取り決めてはいかがでしょうか?
夜寝る前の使用は睡眠の妨げになるので、出来るだけその時間帯には触れさせない様に徹底することをお勧めします。
分泌を促進させるためにはどうしたらいいの?
成長ホルモンを促進させるには、なんといっても「睡眠」です。寝る子は育つとはよくいったもので、正にこのことの為にあるような言葉です。よく寝る子どもは、本能的に成長ホルモンを促そうとしているのではないでしょうか?
睡眠が大切ということは分かりましたが、ではただ寝れば良いだけなのでしょうか?
実は、睡眠時間の質を上げれば睡眠中に分泌される成長ホルモンの質も上がるのです。
良い睡眠を得るためには、日中の刺激を減らしましょう。日中の刺激が多すぎると逆に睡眠導入しにくかったり、夜中に目が覚める原因となってノンレム睡眠に至らなくなることがあります。
睡眠の一時間以上前に入浴を済ませておきましょう。お湯の温度は温めに設定します。熱すぎるとこれも刺激になるので、寝つきが悪くなる原因の1つです。また就寝直前の入浴は、脳に刺激をあたえてしまい目が覚めてしまいますので早めの入浴を心がけてあげましょう。
そして、テレビやパソコン、スマートフォン、ゲームなどもこの位の時間からは、使用を控えます。
これらの光で脳が刺激を受けて、眠りにつきにくくなってしまいます。
寝室の温度や明かりも大切です。好みにもよるので一概には決められませんが寝室はできるだけ暗くして、眠りを妨げる光は取り込まない様に工夫します。子どもが暗い部屋を怖がるようでしたら、無理やり慣れさせることはせず予備電球の明かり程度に留めてあげましょう。慣れれば暗い状況でも寝てくれるようになりますよ。
寝室の温度は、季節によって快適な室温に保ち無理なく睡眠導入できるように調整すると良いでしょう。真冬は布団も冷えているので、室温の調整と同じく布団全体を温めておくと気持ちよく眠れます。
日中の適度な活動によって快適な睡眠が得られるはずですよ!