年代・性別ごとのカルシウムの摂取量・必要量の一覧


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カルシウムは人体に欠かせない必須のミネラルです。骨を丈夫にするだけでなく、肌を整えたり筋肉をなめらかに動かす助けをしたり、高血圧まで予防する万能な働き者。しかし、厚生労働省が統計を取り始めて約30年経った今でも、一度も充足率が100パーセントに達したことのないのが実情です。日本人に慢性的に不足しているカルシウム。それでは1日にどれくらい摂取すれば良いのでしょうか。

体の成長、退化、その時々によって必要な栄養素は変わります。幼児期、成長期、更年期などそれぞれ自分の現状に即した必要量を知ることは、カルシウムの充足率を上げる大きな手助けになります。今回は年代や性別ごとに、どれだけのカルシウムを摂取すべきかについて紹介します。

年代別カルシウム摂取の目安、推奨量(mg/日)

性別 男性 女性 男性 女性
項目 推奨量 推奨量 実際の摂取量 実際の摂取量
単位 (mg/日) (mg/日) (mg/日) (mg/日)
1~2(歳) 450 400 325 302
3~5(歳) 600 550 433 411
6~7(歳) 600 550 555 528
8~9(歳) 650 750 663 616
10~11(歳) 700 750 680 605
12~14(歳) 1,000 800 675 606
15~17(歳) 800 650 533 433
18~29(歳) 800 650 415 366
30~49(歳) 650 650 392 399
50~69(歳) 700 650 484 479
70以上(歳) 700 650 519 474

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)
平成24年 国民健康・栄養調査・第1部 栄養素等摂取状況調査の結果

カルシウムの「推奨量」「目安量」とは

目安量とは、特定の集団の人々がある一定の栄養状態を維持するのに十分な量のこと。(推奨量を算定するのに十分な科学的根拠が得られない場合に定めている)

推奨量とは、ある母集団のほとんど(97%から98%)の人において1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量のこと。

※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」より抜粋

年代別カルシウム摂取の目安、推奨量(mg/日)

・乳児(0〜1歳)

生まれたばかりということがあり、適正なカルシウム摂取量が目安でしか発表されていません。栄養分、カルシウムの豊富な母乳や粉ミルクを摂取しているため、充分な栄養素を摂取していると思われます。

1日の必要目安量は250mgに対して、実際の摂取量統計は497mgと、充分に摂取できているといえます。

・幼児(1〜6歳)

体が急激に成長するため乳児に比べ約2倍のカルシウムが必要になります。また乳ばなれをし、食事をするようになるために実際の摂取量は約400mgと、乳児に比べ下がっているのがわかります。550mgほどの必要量に対して、75パーセントほどしか摂取できていないという統計が出ています。

子供の成長は6歳までで決まるという言葉がありますが、成長に不可欠なカルシウムが大分不足しています。今後の成長を考え、充分に摂取したいものです。

小学生(6〜11歳)

6〜11歳の小学生の時期。この小学生の時期は骨が今後のさらなる成長のためにカルシウムを蓄える時期になり、10歳の時点で700mg程度と必要量が格段に上がります。この時期にカルシウムを充分に蓄えることで中学、高校生になった際にカルシウム不足による阻害が少なく成長をすることができます。

しかし実際の摂取量は600mg程度と九割に達していませんが、全体の数値と比べると多く摂取できています。これは栄養バランスをしっかりと計算された給食を摂取しているためと思われます。

中高生

中高生は思春期の真っただ中に突入します。体が子供から大人に変化する際に大量の栄養素が必要になり、エネルギーの消費が人生で一番高くなります。カルシウムの必要量は中学生の頃にピークを迎えます。

思春期は心も大人へと変化しますが、その際大きなストレスがかかりイライラとすることが増えます。反抗期と言われる状態ですが、そのイライラや心の不均衡を少しでも緩和するためにカルシウムが有効です。カルシウムにはイライラを抑制し、心を安定させる作用もあるのです。

カルシウムを消費してしまうのは急激な成長のためもありますが、部活動などの激しい運動をすることによっても消費されます。数値を見てみると、男女ともにカルシウムの必要量は平均750mgほどあるにもかかわらず、実際の摂取量は500mg程度と65パーセントにも達していません。体を作るのに大切な時期にもかかわらずカルシウムが大いに不足していることがわかります。

大人

学校教育を終えて働きだす方、または大学に進学する方など生活習慣がガラリと変わるタイミングです。食事はいつも外食をしなければいけなかったり、なれない自炊をしなければいけなくて栄養が偏り、仕事が忙しくて食事自体をとれなかったりと、カルシウム不足になる原因が伺えます。

また、スーパーやコンビニで購入する加工食品には食品加添加物のリン酸塩が含まれていることが多いです。このリン酸塩はお肉の色の発色を良くしたり、酸味料として味の調整に広く使われたりしている一般的な食品添加物です。しかし、リン酸塩にふくまれるリンは、カルシウムの吸収を阻害する働きがあるため、リン酸塩の摂りすぎはカルシウム不足を生き起こす原因になります。

20〜50歳の1日に必要なカルシウム摂取量はだいたい700mgに対して実際の摂取量は430mg程度と六割程度しか摂取できていません。これでは高齢になるに従って骨の密度が下がり、弱い力でも骨が折れてしまう症状の、骨粗鬆症を引き起こす可能性が高くなってしまいます。

高齢

高齢になるにしたがい、体はカルシウムを吸収することが難しくなってきます。さらに加齢によるホルモンバランスの崩れや、女性なら閉経に伴い骨量が減ってしまいます。そして若い年代と同じだけのカルシウムを摂取しても吸収できる割合は下がってしまうので、30〜49歳の660mgに比べ50〜69歳は700mgと推奨摂取量が上がっています。

骨粗鬆症を発症しやすい年代であることで、その治療や予防のために実際の摂取量が535mgと、他の年代に比べ若干優秀です。

性別でみる、カルシウムの積極的な摂取が必要な時

性別によってカルシウムが必要になり、また不足しがちになるタイミングが違うことがあります。自分の体をよく知ることで、カルシウム不足による症状を防ぎましょう。項目は男女に分かれていますが、どちらの性にも当てはまることがあります。

女性

・ダイエット

綺麗になるためにダイエットをされる女性は多いのではないでしょうか。しかしダイエットは正しい食事と運動を取り入れなければ、栄養不足だけではなくカルシウム不足を引き起こし、肌荒れやむくみなど美容に反する症状が出ることがあります。

・妊娠出産

生まれたばかりの赤ちゃんの体のカルシウム量は約50gあります。この50gを作り出すには、女性の1日のカルシウム推奨摂取量の約2ヶ月分になります。これだけのカルシウムを消費するため、妊娠出産後のお母さんの体は骨がスカスカになってしまっています。

男性

・タバコ

タバコと骨粗鬆症の関連は医学的に指摘されています。タバコに含まれるニコチンや微量有害金属は骨細胞の働きを阻害します。またカルシウムの吸収をさまたげるため骨の密度が下がり、結果骨粗鬆症を引き起こすのです。

・仕事のストレス

カルシウムにはイライラやストレスを和らげる作用がありますが、ストレスを感じるとカルシウムが大量に消費され、カルシウム不足を招きます。

カルシウムは全年代、意識的に摂りましょう

カルシウムは統計を取り始めて今まで一度も充足率が100パーセントになったことがないようです。グラフを見てわかるように、全年代性別で不足しているカルシウム。年代ごとの推奨摂取量を知れば自分の今の状態でどうすればカルシウムを目標値に近づけることができるかがわかります。また、家族の健康状態を知ることにも役に立ちます。自分だけでなく、親や祖父母の健康にも目を向けるきっかけになればいいですね。

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