カルシウムの効果と働き!カルシウムってこんなに大切だった


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身近でよく耳にするカルシウム。イライラしているとカルシウム不足だとか、背を伸ばすためにはカルシウムが必要だとか、これらの言葉は本当でしょうか。給食ではカルシウムをたくさん摂取するために牛乳や小魚が出ますし、カルシウムのサプリメントはいたるところで販売されています。

ただ漠然とカルシウムはたくさん摂取したほうがいいものということはわかりますが、カルシウムを摂取することは一体どういう効果があるのでしょうか。カルシウムの体内での働きや、カルシウム不足で起こりうる病気などを含め、カルシウムの大切さについて紹介します。

カルシウムとは?

カルシウムとは、人の身体の中に最も多く含まれるミネラルで、なんと体内には体重の約2パーセントも含まれています。元素記号はCa、原子番号は20で、原子量は40.08の金属元素です。例えば体重が50キロの人がいれば、その人の体に含まれるカルシウムの量は約1キログラムになります。

カルシウムと聞いてイメージするのは白い粉末かもしれませんが、実は純粋なカルシウムは鉄やアルミニウムのように銀色でピカピカとしています。

骨とカルシウム〜体内のカルシウム分布と主な働き・効果〜

体内のカルシウムの99パーセント以上は骨格や歯に含まれています。残りは筋肉の中に蓄えられたり、血液に含まれたりして身体中を巡っています。

カルシウムの主な働きは大きく3つに分けることができます。

1、 心を安定させる

カルシウム不足でイライラするという言葉をよく聞きますが、これは医学的に正しい話です。カルシウムが足りなくなると骨から不足分のカルシウムが溶け出して補うため、肉体がダメージを受けます。そうすることによって精神が不安定になり、結果的にイライラするのです。

2、 歯や骨を丈夫にする

歯や骨にはカルシウムがたくさん含まれています。骨の主成分はカルシウムなので、十分に摂
取することで骨を丈夫にできます。

3、 筋肉の動きをなめらかにする

カルシウムはまるで油のように筋肉の動きをなめらかにする効果があります。カルシウムが不足すると痙攣してしまったり、硬直が起こったりします。運動をする人には特に大切です。

また、カルシウムには肌の新陳代謝を助ける働きもあります。カルシウムが美肌につながるという研究が、日々なされているようです。

カルシウム不足で起こりうる病気や障害

カルシウムが不足するとさまざまな問題が起こります。代表的なものに骨粗しょう症があります。カルシウムや栄養分不足によって骨の密度が下がり、もろくなってしまう症状です。これは自分では気が付きにくく、進行すると体を強く押さえただけで骨が折れてしまうなど、早期発見が大切な症状です。

また、カルシウムは血液に微量ですが溶け込み身体中を巡っています。このカルシウムのおかげで筋肉や神経の動きがなめらかになっているのですが、それが不足すると高血圧や動脈硬化の引き金になるので注意が必要です。カルシウムで問題になるのは骨だけかと思いがちですが、血圧や血管にも大きな影響を与えるのです。

カルシウムはイライラと関係していると述べましたが、イライラだけではなく情緒不安定やうつ症などにも大きく関係しています。精神的な障害にも大きく関わっているカルシウム。心と体の健康にとても重要なのですね。

カルシウムの摂取基準値と実際の摂取量

カルシウムは日本人にとって最も不足しやすい栄養素と言われています。どのくらい不足しているかは以下をご覧ください。

年齢
区分 摂取基準推奨量の目安(mg) Ca摂取値
(中央値/mg) カルシウム充足率(%)
男性 女性 男性 女性
12-14 1000 800 647 64.7 80.9
15-17 800 650 493 61.6 75.9
18-29 800 650 383 47.9 58.9
30-49 650 650 397 61.1 61.1
50-69 700 650 482 68.9 74.2

※参考
日本人の栄養素等摂取状況調査結果(厚生労働省発表)
「日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要」より

一番右上の項目のカルシウム充足率が100パーセントに近いほどカルシウムを十分な量摂取できているということを意味しています。

表を見ていただくと、すべての年代で100パーセント充足している年代がないことがわかります。18〜29歳に至っては充足率が約50パーセントと、とても不足しています。この年代は仕事や学校が忙しく、食生活が乱れていると考えられます。また全体的に見ても充足率が80パーセントにも達していません。人体に欠かせない必須のミネラルのはずですが、こんなに不足しているのですね。

カルシウムが多く含まれる食品・食事

カルシウムを多く含む食材は何でしょうか。表にしてみると、意外にいろんなものにふくまれていることがわかります。

カルシウムを多く含む食材

・ 乳製品(牛乳 ヨーグルト チーズ)
・ 大豆製品(豆乳 豆腐)
・ 海藻類(昆布 わかめ ひじき)
・ 小魚(イワシ 煮干し) 
・ 緑黄色野菜

毎日牛乳をたくさん飲んで、おやつはイワシや煮干し。それだけすれば十分のように見えますが、それではこの表にあるものをたくさん摂取すれば十分なのか?というとそうではありません。カルシウムを効率的に摂取するには食べ合わせが大切です。食べ合わせについては次の項目で説明します。

カルシウムの吸収率の問題

カルシウムの吸収率は、牛乳は40パーセント、小魚は33パーセント、野菜は19パーセントと、食材によって大きく違っています。カルシウムを多く含む食べ物を摂取しても、なんとだいたい25〜50パーセントしか吸収することができません。食材がカルシウムを多く含有していることも大切ですが、どうやって食べるかも大切です。

さらに、カルシウムを体に吸収する際にはビタミンDが必要になります。ビタミンDはビタミンCを体の中で変化させることで得られます。また、カルシウムは炭水化物(パン お米 麺類)と同時に摂取すると吸収率が上がります。

以上のことを踏まえると、ビタミンCを十分に摂取し、炭水化物と合わせてカルシウムを多く含む食材を食べるとより効率的にカルシウムを摂取できます。

効果的にカルシウムを摂取するために

カルシウム吸収率の問題の項目でもあげましたが、カルシウムを効率良く摂取するためには同時に摂取する栄養素が重要です。特に重要なのが、ビタミンDとマグネシウムです。

・ビタミンD

ビタミンDはビタミンCを変化させて体内で作られる栄養素です。ビタミンCが太陽光(紫外線)に当たることで変化して生成されます。ビタミンCを摂取して屋外で運動をすると簡単に生成することができますが、食事から摂取するならキノコ類や魚類に多く含まれています。

・マグネシウム

より効率良くカルシウムを摂取するにはマグネシウムがとても大切です。割合的にはカルシウム:マグネシウム=2:1がよいとされています。マグネシウムの過剰摂取は逆にカルシウムの吸収を悪くしますが、日常の食生活ではまず起こりません。マグネシウムはピーナツやアーモンドなどのナッツ類、大豆製品や玄米に多く含まれています。

食事で補えない場合はサプリメントを利用すると効率的かもしれません。その際は全てをサプリメントに頼るのではなく、食事をメインに考えて足りない分をサプリメントで補うようにしましょう。

まとめ

カルシウムは骨や歯だけに関わっていると思っていましたが、実は血管や精神の病にまで影響を与える、人体にとても大切なミネラルだとわかりました。日本人は慢性的にカルシウム不足ということはグラフからはっきりと見て取れます。電車の中や町など、どこを見てもイライラとしている人がいますが、そんな人がいたらカルシウムをぜひお勧めします。肉体だけでなく精神も丈夫にしてくれるカルシウム。まずは理想摂取量に近づけるように気を使って摂取したいものです。

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