カルシウム不足が危険!こんな症状には要注意


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何だか訳も分からずイライラする。最近ちょっとしたことでも怒ってしまう。特に何も理由がないのに情緒不安定だ…。ストレスの多い現代社会には、こういった問題を抱えた方がたくさんいるのではないでしょうか。

もしかしたらその原因はカルシウム不足かもしれません。「イライラしている人にはカルシウムを」という言葉をよく聞きますが、これは医学的に正しいことなのです。骨を丈夫にするだけではないカルシウム。実は心の平安に大きく関わっています。カルシウムは人間の必須ミネラルの一つですが、なんと日本人に一番不足しているミネラルとも言われています。

まだまだしっかりと理解されていないカルシウムの大切さ。ここではカルシウム不足がどんな問題を引き起こすかについて紹介しようと思います。イライラ、むくみ、筋肉痛、しびれ…それはもしかしたらカルシウム不足が原因かもしれません。

日本人はカルシウム不足(厚生労働省のデータをもとに)

年齢
区分 摂取基準推奨量の目安(mg) Ca摂取値
(中央値/mg) カルシウム充足率(%)
男性 女性 男性 女性
6-7 600 550 541 90.2 98.4
8-9 650 750 645 99.2 86.0
10-11 700 750 638 91.1 85.1
12-14 1000 800 647 64.7 80.9
15-17 800 650 493 61.6 75.9
18-29 800 650 383 47.9 58.9
30-49 650 650 397 61.1 61.1
50-69 700 650 482 68.9 74.2
70- 700 650 493 70.4 75.9

参考資料:
日本人の栄養素等摂取状況調査結果(厚生労働省発表)

グラフの6歳から11歳までのカルシウム充足率は90パーセント以上と十分に摂取されていることが伺えます。これは栄養バランスをしっかり考えられた学校の給食を摂取しているからだと思われます。一方18歳から29歳のカルシウム充足率は約50パーセントとかなり低い数値になっています。大学生や社会人になり、食生活が乱れるためと考えられます。

全体的に見てカルシウム充足率が100パーセントに達しているところはありません。全年代で慢性的にカルシウムが足りていないということがよくわかります。

カルシウム不足が引き起こす6つの症状

カルシウムが不足するとさまざまな症状が現れます。まさかカルシウムが原因の一つだったとは、と思わずにはいられない症状もあり、いかにカルシウムが人体に大切かがわかります。

・しびれ、痙攣

カルシウムの99パーセントは骨や歯に蓄えられていて、残りの1パーセントは血液や筋肉、脳など身体中に分散して存在しています。この身体中に分散している1パーセントが大切で、筋肉をなめらかに動かしたり、血管の修復をしたり、脳の情報伝達を円滑にしたりと働いています。

しかしカルシウム不足によってこの分散している1パーセントが不足すると、筋肉がなめらかに動かせなくなり、収縮したままの状態になります。これがしびれや痙攣、筋肉痛の原因の一つになるのです。

・心の不安定

カルシウムが原因で発生する心の不安定には、情緒不安定やイラつき、うつ症や認知症などさまざまなものがあります。これらの症状には2通りのカルシウム不足により起こる現象が研究されています。

一つは、血液中のカルシウム量は常に一定なのですが、カルシウム不足によりそのバランスが崩れた時、それを補うために骨に蓄えられたカルシウムが血液中に放出されます。そうすると骨が消耗するため体にとって大きなストレスになり、それが結果として情緒不安定やイラつきを発生させます。

もう一つは、カルシウム不足は神経の興奮を引き起こすきっかけになります。神経にストレスがかかり、脳内での情報伝達に障害が発生します。これがうつ症や認知症の原因の一つになると言われています。

・高血圧

塩分を摂取すると血圧が上がります。これは血中の塩分濃度が上がるため、それを抑えるために水をたくさん飲み、結果として血液量が増え血管を圧迫するからです。塩分を体外に排出する際にカルシウムが消費されます。カルシウムがあればスムーズに塩分が排出されるのですが、不足していると高血圧を引き起こしやすくなるのです。

・動脈硬化

血中のカルシウムは血管の壁を柔らかくなめらかに保つ働きがあります。ここでカルシウムが不足すると、血管壁に傷がつきやすくなり、その傷にコレステロールが溜まりやすくなり結果として動脈硬化を引き起こします。

・骨粗鬆症

比較的知名度が高い症状です。カルシウム不足により骨の密度が下がり、骨が折れたり傷ついたりしやすくなる症状です。お年寄りに多く見られ、お年寄りの特有の症状だと思われがちですが、実は若者にも起こりうる症状です。

血中のカルシウムが不足すると、骨に蓄えられたカルシウムが放出されて不足分を補いますが、その状態が続くと血中にはカルシウムが充分にあるにもかかわらず骨はスカスカになるという状態になります。これはカルシウムパラドックスと呼ばれています。

さらにカルシウムは運動をすることで、安静にしている場合と比べ2倍近くも消費されます。部活動を頻繁にしている成長期の子供は、体の成長と運動での消費分の大量のカルシウムを補わなければいけません。その際十分にカルシウムが摂取できないと、骨粗鬆症が発生することがあるのです。

・低カルシウム血症

血中のカルシウム濃度が著しく下がった場合、体の各器官が一斉に不調をきたし始めます。軽度の場合は上に挙げた痙攣やまひがおこりますが、重度になった場合、歯や爪の発達異常や嘔吐、下痢、白内障など様々な症状が発生します。

カルシウム不足の原因は?

牛乳や小魚に豊富に含まれるカルシウム。ちゃんと摂取できているように思えますが、厚生労働省の発表しているカルシウム充足率は、統計が始まってからこのかた一度も全年代で100パーセントになったことがありません。つまり慢性的に足りていないのです。なぜそのようなことが起こるのでしょうか。

・安静にしていても失われる

カルシウムは骨だけではなく、髪の毛や血管、細胞の生まれ変わりなど人体に欠かせないミネラルなので、日々代謝されていきます。細胞の新陳代謝によって血中に放出されたカルシウムはそのまま排出されてしまいます。

・ 塩分の摂りすぎによって失われる

塩分を体外に排出するためにはカルシウムを消費します。ラーメンや唐揚げ、焼き鳥など、日本の食生活は塩分の多いものが多いです。また甘い飲み物や食べ物でも味を引き出すために塩を使っているので、注意が必要です。

・リンによって失われる

体に取り込まれたリンの不要分を排出する際、カルシウムと結びつくことによって排出されます。つまり、リンを摂り過ぎるとカルシウム不足を招くことになります。リンと言ったら肥料に多く含まれていると思われますが、実は日常的に口にするものにもリンはたくさん含まれています。

飲み物から加工食品まで、食品表示をみるといたるところに食品添加物のりん酸塩が使われていることがわかります。このりん酸塩はリンと同じ働きをするので摂り過ぎに注意です。

カルシウム不足を避けるための対策をご紹介!

カルシウム不足を避けるためには、カルシウムを消費しにくくするということが大切だとわかりました。まずは塩分、食品添加物を避ける食事によって摂取したカルシウムを消費しないようにしましょう。また、食事からだけだとどうしてもカルシウムを充分に摂取することは難しくなります。サプリメントを適切に取り入れることによって、不足分を補いましょう。サプリメントを使用する際は、サプリメントを中心にせず、あくまで食事の補助として利用することが大切です。

まとめ

カルシウム不足は骨粗鬆症を引き起こすことはよく知られています。しかし痙攣やまひ、下痢や嘔吐まで引き起こすことには驚きです。厚生労働省のデータによると、統計を取り始めてから今まで一度もカルシウム充足率が100パーセントに到達したことがないそうです。こんなにたくさんの危険な症状を引き起こすカルシウム不足。今一度カルシウムのありがたさを考え直さなくてはいけません。

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