乳酸カルシウム
乳酸カルシウムと聞いてぴんとくるって人はあまりいないのではないでしょうか。あまり聞きなれない乳酸カルシウムですが、意外と身近な物質だったりします。
そんな乳酸カルシウムがとても有用な物質であること、今回ご紹介しますね。
成分の詳しい説明・特徴
乳酸カルシウムは化学式C6H10CaO6で表される乳酸塩の1つです。白い粉末状で水にもエタノールにも容易に溶けます。この特性を利用して、乳酸カルシウムは制酸薬やカルシウムを補給するお薬として用いられることが多いです。
自然界にはあまり乳酸カルシウムとしては存在していませんが、原料はさとうきびや甜菜、とうもろこし等の植物です。これらを発酵して乳酸を作り、その上でカルシウムと反応させて作ります。
・用途
・カルシウム補給薬 ・食品添加物 ・洗口液
・利用法例
代表的な利用法として、効率的にカルシウムを摂取することができるため、骨が弱くなる骨粗しょう症の治療などに使われております。妊婦や成長期のお子様へのカルシウム補給薬として処方されることもあるようです。
カルシウムの補給薬以外にも、ベーキングパウダーの原料やキシリトールガムの有効成分の1つとして利用されることも多く、普段の生活の中でも意外と接する機会が多い物質ですね。
安全性について
食品添加物やお薬、妊婦さんに処方されることからも分かる通り、大変安全な物質として認識されております。通常の食生活で摂取する程度の量であれば酷い副作用はまず考えられず、あっても不快感や便秘程度です。
注意点
いくら安全性が高いとはいえ、あまり大量に長期間摂取し続けると、腎臓にカルシウム石ができたり体に何らかの異常が見られることもあります。その場合にはすぐに摂取するのをやめ、お医者様と相談してください。
特に、骨粗しょう症の治療ではカルシウムの吸収率を高めるため、活性型ビタミンD製剤を同時に服用することが多いです。長期的に摂取する場合には定期的な検査などをしておけば安心ですね。