学生さんでも腕はプロ級

背が高い事で嫌な思いをしたことも数多くありますが、高くて良かったと思えることももちろんあります。
中でも深く印象に残っている事は、20代半ばから後半にかけて起こった出来事です。

買い物目的で繁華街を歩いていたら、カットモデルを探していると言う美容師さんに声を掛けられました。
ちょうどヘアスタイルを変えたいと思っていた時でしたのでお受けすることにし、切って頂く日時を決めてその日はお暇しました。

約束の日に指定の美容室へ伺ったところ、その美容師さん以外にも何人も人が居てちょっぴり恥ずかしくはありましたが、タダでカットしていただいて、更に髪型に似合うようにとメイクまでして頂きました。

見学にいらしていた方達は美容師さんだけだと思っていたのですが、中にお一人だけ服飾科に通う学生さんが居て、卒業制作で作る衣装をステージ発表をする為のモデルを探していたそうで、是非参加して欲しいとのお話を頂きました。

モデル経験なんてありませんし、人前でステージを歩くのには抵抗があったのですが、学生さんの熱意に負けて結局はお引き受けすることに。

採寸はもちろん、仮縫いや本縫い後の数回に及ぶ試着、簡単なウォーキングレッスンやリハーサルで結構大変ではあったのですが、ショーは大成功に終わり、終わってみれば高い満足感が残りました。

その思い出だけでも十分なのですが、制作した衣装は私のサイズで作られているので、そのまま頂けることになりました。

いつもサイズが無くて洋服探しには苦労していたのに、ジャストサイズの一点ものを頂いてしまいました。
しかも4年連続で。
学生さんの作品ではありますが、卒業制作というだけあって腕はプロ級でしっかりとしたものです。

運が良かったとは言え、背が高くて得をしたと思えた出来事でした。