低身長の可能性?早期発見を目指しましょう


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子どもの成長は、親にとって気になることですよね。身長が低いことは年齢が上がってくると子ども自身もそれなりに気になる問題になってくることも。。。
しかしそれを個性ととらえていい場合と治療が必要な場合があり、独断で決めることは難しいです。もしも治療が必要になった場合は、早ければ早い方が良いのです。

ここでは、低身長の詳細を詳しくご紹介します。

身長が低い=低身長ではありません(低身長とは?)

低身長と聞くと、身長が低い場合を指すと誤解されている方が多いようですが実は違います。
低身長とは、同年代の子どもの平均身長と比べて身長が著しく低い、または成長の速度が著しくゆっくりな場合のことをいいます。

子どもの身長の伸びや体系の成長がゆっくりだと、どうしても親としては心配の要素ですよね。ご両親の遺伝などで元々小柄な場合は良いのですが、明らかにほかの子どもと比べて極端に身長が低いなと感じたら専門家に相談してみることをおすすめします。

低身長かチェックしてみる

低身長なのかどうかは、1年間の身長の増加が大きな目安になります。例えば健康診断や自宅などで1回測った身長が、標準を少し下回った値であってもたった1回の測定だけでは低身長の判断材料にはなりません。

ただし同年代の子どもと比べて身長が「-2SD」を下回った場合は低身長の可能性があります。

「-2SD」は、標準成長曲線というグラフを元に表されます。通常の身長は、およそ95%の子どもが「+2SD」から「-2SD」の間に収まります。このことから「-2SD」以下の身長を低身長と規定しているのです。

そして、1年間の身長の増加が同年齢の子どもの平均値80%以下で尚且つこの状態が2年以上続く場合も低身長の可能性があります。

低身長は病院でしっかり検査をしましょう

万が一子どもの低身長が疑われたら、きちんと病院で検査を受けましょう
主な診断や検査は以下になります。

・両親の身長や出生時の状態、持病などから成長曲線作成します。この時に母子手帳や成長のメモなどがあると成長曲線の作成時に役立ちます。

・現在の身長が、「-2SD」以下であるかの判断をします。

・スクリーニング検査をします。血液検査です。
(血液検査、甲状腺ホルモン検査、成長ホルモン検査、手のレントゲンによる骨年齢検査、女の子の場合は染色体検査)

*成長ホルモンが欠乏していると骨の発育に影響が出ます。

上記の検査で異常がなくても、骨年齢が遅れていたり成長ホルモンによって作られるIGF-1の値が少ないと分泌不全の可能性が出てくる為、精密検査の対象になります。

精密検査(成長ホルモン検査)

・薬を使って成長ホルモンを促し機能が正常かどうかを確かめます。

2つの検査で成長ホルモンの分泌が不十分な時に、成長ホルモン分泌不全症と診断されます。

精密検査の場合、子どもの状態によっては半日から1日程検査に時間がかかります。簡単な検査内容を子どもに説明してあげると良いでしょう。

治療が必要な低身長の可能性

低身長と診断されても、ホルモン治療の対象になるものとならないものに分けられます。

① 成長ホルモン分泌不全性低身長症

「-2SD」以下の子どもの約10~15%を占めます。

② ターナー症候群

生まれながらの染色体の欠陥があり、女児に多い疾患です。「-2SD」以下の子どもの約4~5%を占めます。

③ 軟骨異栄養症

長幹骨が化骨しない全身的な疾患です。「-2SD」以下の子どもの約2~3%を占めます。

④ プラーダー・ヴィリ症候群

15番目の染色体が異常をきたしており、2歳頃から異常な食欲が現れます。2型糖尿病を発症するケースが多く、肥満体型が特徴的。知能障害と性腺機能異常を合併します。この疾患のほとんどが、成長ホルモンの分泌異常が証明されています。

⑤ 慢性腎不全

身体の重要な臓器に病気があると体内に十分な栄養素の取り込みができず、身長が伸びが悪くなります。この場合臓器の治療をすると身長が伸びてきます。ただし、「-2SD」を下回る場合は、ホルモン治療の対象になることがあります。

⑥ SGA性低身長症(子宮内発育不全)

妊娠満期で生まれても身長や体重が小さい子、早産で早く生まれた小さい子は子宮内発育不全と呼ばれます。その子どものほとんどが3歳くらいまでに身長が標準値まで伸びます。SGA性低身長症とは、2~3歳までの間に身長が正常範囲内に追いつかない疾患を指します。

以上がホルモン療法の対象になる疾患です。元々の体質や遺伝からくる低身長は、ホルモン治療の対象外となります。食事のバランスなどの生活習慣に気をつけることで、身長が伸びる可能性を高めてあげましょう。

低身長の治療費ってどれくらいかかるの?

治療を始める年齢や期間などによりかかる費用には、個々それぞれ違いがあります。
ホルモン療法に使われる薬は、非常に高額であることと治療が開始されたら長期間に及ぶケースがほとんどなので医療費の負担が大きいです。その負担を減らすために医療費の自己負担分を助成する制度「小児慢性特定疾患治療研究事業」を利用することができます。

ただし利用するには、基準を満たしていることが条件です。
各家庭の所得に応じた自己負担額が設けられています。審査基準は厳しく低身長の治療が必要だと認められても助成が受けられるわけではありませんので注意してください。

基準を満たし認定が許可されると、20歳到達まで治療費の助成を受けることができます。ただ、1年ごとの申請手続きがあり、その時にも治療基準を満たしていることが必要です。年齢に関係なく男子は156.4cm,女子は145.4cmを超えると助成の対象外となります。

その他の制度は、健康保険を利用することもできますし、自己負担額が一定の金額を超えた場合「高額療養制度」という制度もあります。決められた金額以上の金額を支払わなくて良い制度ですが、こちらも所得などの制限や規定がありますので自治体もしくは担当の先生に相談してみて下さい。

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