モデルになりませんか

タイトルでモデルと大きく言いましたが、大したものではありません、地元のウェディングドレスを着るモデルのことです。
それは短期大学を出て地元に就職を決めた年のことでした。
友人とお祭りへ行くことになりました。
私は人混みが特に嫌いです。人より頭ひとつぶんくらい大きい私はさらに目立ってしまうような気がしていたからです。
身長にコンプレックスをもっていた私はかなりの猫背で目立ちたくないという一心から内向的な眼鏡っこでした。
その日もお祭りなのに猫背で端ばかり歩いていました。
そんな時は町の商工会で出しているような出店のおばちゃんに話しかけられました。
「あらーあなたいくつ？まだ結婚してないわよねー？ウェディングドレス着てみたくないー？？」
あ…いえ、と話をはぐらかして立ち去ろうとしたのですが、友人が答えてくれやってみなさいよと背中を押してくれました。
おばちゃんの旦那様がホテルで勤めているためウェディングフェアでドレスを着てくれる子を捜していたそうです。
当日私はすごく綺麗にメイクしてもらい、初めてのウェディングドレスを着ました。
背中も真っ直ぐ伸ばしてたった姿は自分で言うのもなんですが、本物のモデルさんみたいでした。
今まで身長にコンプレックスを抱いていましたが、この体験のおかげで今はいろんなことに積極的に向かっていけるようになりました。